インプラント・ブリッジ・入れ歯の寿命を比較してみました。寿命というのは定義があいまいですので、成功率(生存率)で考えたいと思います。

インプラント        10年で約90~95%残る
ブリッジ             10年で約50~70%残る
入れ歯               5年で約40~50%残る

以上はあくまでも一般論で、参考程度に考えていただければよいと思います。

インプラントのイメージ

ブリッジ・入れ歯に関しては、保険で作ったものと自費で作ったものとでは、寿命に大きな差があると思われます。
入れ歯の場合は、不具合が出た時に修理で済ませる場合も多いです。

インプラントの場合は、ごく初期にトラブルが出ることがあります。もちろんその場合はすぐに対応させていただきます。逆にいったん生着してしまったら、上記の生存率よりももっと成績がよいというのが私の実感です。

インプラントの安全性について 

ブリッジの場合

またブリッジの場合は、不幸にしてダメになった場合、もうブリッジにできないことが多いです。インプラントの場合は、再インプラントも可能ですし、その時にブリッジにするという選択肢もあり得ます。
いずれにしても、次に悪くならないように、ご自宅での十分なお手入れと歯科医院での定期的な検診・プロフェッフェショナルクリーニングが大切です。

ここまで読んでくださった方にお伝えしたいことがあります。

この文章を読まれている方は、残念なことにご自分の歯を何本かはわかりませんが失ってしまった方、もしくは抜く予定がある方だと思います。
いろいろと調べられて、失った物を取り戻すことが費用も含めていかに大変か、あるいは回復できたとしてもそれを維持することが簡単ではないことがお分かりだと思います。

逆に今残っている歯には、それだけの値打ちがあるのです。

歯が無くなったところをどうするかは大事なことですが、今残っている歯をこれ以上失わないことが、さらに大切です。例えば、歯が半分無くなった方が、ブリッジや入れ歯を入れて前と同じくらい噛めるようになったとします。

元どおりに噛めるようになったことは喜ばしいことですが、はたして10年先はどうでしょうか?
元通りに噛めるようになっても、歯の本数が半分であることには変わりありません。当然その半分の歯には倍以上の力がかかります。

もともと多様な原因があって半分の歯を失った同じ口の中で、残りの歯に倍以上に力をかけたら将来どうなるのかは、容易に想像がつきます。

毎日臨床に携わっていると、将来像が大まかですが予想できてしまいます。
残念ながらブリッジや入れ歯は、失った歯のところを噛めるようにするために、残っている歯を犠牲にする側面が否めません。

逆にインプラントが入ると、前後の歯が前よりも丈夫になること、あるいは負担がかかっていた側の歯がかえってしっかりしてくることを良く経験します。

「今、どうなりたいか?」と同じくらい、「将来、どうありたいか?」

も考慮の一つに加えられてはいかがかでしょうか。

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