■歯石とは何ですか?
A.歯を磨かないで放っておくと、歯の表面がネバネバしてきます。
これが歯の汚れの元のプラーク(歯垢)です。
歯石はこのプラークが固まったもの(石灰化)で、何十万もの細菌によって構成されており歯周病の主な原因にもなります。
■歯石は磨けばきれいになりますか?
A.歯石は、歯の表面にかたくこびりついているので、磨いても取れません。
また歯石の表面を磨いても、歯はきれいになりません。
歯科医院でクリーニングを受けて、その後にまた歯石がつかないように、きれいに磨きましょう。
■歯ぐきから血が出るのですが、歯周病ですか?
A.歯の周りの骨や歯ぐきの病気が歯周病ですから、歯ぐきからの出血は、歯周病の重要なサインだと言えます。
■歯周病の手術とはどういうものですか?
A.歯周病は、早期であれば歯石を除去したり、歯ぐきを把することで治ります。
しかし進行が進むと、手術が必要となることも多いです。
手術は、切除療法(悪い部分を取る)が主でしたが、最近では再生療法も盛んにおこなわれるようになってきました。
いずれにせよ日進月歩の部分なので、トータルの治療計画を立てたうえで、適切な治療法を選択されることが大事だと考えます。
■親が歯周病で歯がすべて抜けたのですが、遺伝するのでしょうか?
A.基本的に歯周病は遺伝性の疾患ではないので遺伝はしません。
ただ、歯の形や歯並び、体質などは親から子へ遺伝します。
それ以上に、幼児期に親が噛み砕いた食品を与えたりするので、親の口の中の細菌がうつります。
すると個人に特有の口の中の細菌叢が親子では似てきますから、親が歯周病であれば子も歯周病になりやすいと言えます。
■歯周病のかかりやすさは個人差がありますか?
A.歯周病のかかりやすさを決める因子は主に3つあります。
個人の体質と、口の中の環境と、細菌の種類です。
個人の体質とは細菌に対する抵抗性で、これを変えるのはなかなか難しいでしょう。
口の中の環境とは、歯石があったり、不適合なかぶせ物が入っていたり、歯並びが悪かったり、要は細菌が住みやすい環境であるかです。
これは適切な治療を受けることで改善できます。
■口の中の細菌叢を変えることができますか?
A.前述したように歯周病にかかるのは、その人の体質、口の中の環境、細菌の種類など、様々な要因が関与しています。
その中でも近年、口の中の細菌の種類により歯周病の発生率が大きく変わることが指摘されています。
従来は、細菌の数をある程度コントロールすることができても、その人固有の細菌の構成を変えることはできませんでした。
現在では、薬剤により、細菌の種類もある程度コントロールできるようになってきています。
まだ一般的な治療とはいえませんが、当院では 年以上の実績があり、高い効果が得られています。
■たばこと歯周病は関係がありますか?
A.直接的な原因ではありませんが、歯や歯肉に対してあまり良くないと考えられています。
統計的にも喫煙者は非喫煙者よりも、歯周病にかかっている人が多いという数値が出ています。
歯の表面や歯肉に傷などがあると、プラークは付着しやすくなります。
タバコのヤニが傷の役割を果たし、同じようにプラークの付着を促進させていると考えられ、また喫煙することにより血液の循環が悪くなっているため傷を治癒する本来の機能が低下します。
■口臭の原因は歯周病ですか?
A.口臭の90%は口の中の病気と不潔な事が原因です。
歯周病の方は口の中の清掃状態が悪いことがほとんどで、その点からも口臭の原因の一つと考えられます。