■床矯正はなぜあまり知られていないのですか?

A: 床矯正は主にヨーロッパで古く昔から行われており、現在も行われている治療なのですが、日本の歯科技術の多くはアメリカを手本にしており、そのためあまり日本では知られておりませんでした。


■治療ができる年齢の制限はありますか?

A: 6歳くらいから始めることが出来ます。むしろ、顎の骨の成長を考えた上でも、気付いたら早めに行うのが好ましいと思います。床矯正ではないのですが似たような治療で、受け口の治療は4歳くらいから始めることが多いです。
高齢の方も健康に問題がなければ治療可能ですが、若い方に比べると歯が動くのに時間がかかり、治療期間が長くかかる場合があります。また成長期の子供さん以外は床矯正だけでは治りませんので、床矯正後にワイヤー矯正が必要となります。


■いつ始めるのがよいですか?

A: 明らかに永久歯のはえるスペースがたりない場合は、永久歯にはえかわる前に開始した方がよいでしょう。
お子様が治療に協力的ではない場合、歯並びが悪くなるか微妙な場合は、少なくとも犬歯(糸切歯:3番目の歯)がはえかわる1年半以上前に開始すると、よい結果が得られます。
床矯正で最も効果が高いのは、顎が小さいために将来歯がきれいに並ぶことが不可能であると予想された場合に、あらかじめ顎を拡大して、歯が正常に生えるスペースを作ってあげることです。
歪んで生えた歯を治すのではなく、歪まないように予防してあげるのが最善です。


■犬歯(糸切歯:3番目の歯)が永久歯に生え替わってしまいました。この場合、床矯正は出来ないのでしょうか?

A: 出来ないことはないのですが、

  • 治療期間がかかる
  • 床矯正だけでは無理で、床矯正後にワイヤーを装着する必要が出てくる。
  • 治療結果にある程度妥協が必要になる場合がある

など、治療開始時期を遅らせるメリットはありません。

治療開始時期が遅くなった場合は、抜歯して一般の矯正治療をお勧めする場合も多いです。
(但し治療費は床矯正より高額になります。)
多くの保護者の方が、子どもさんの犬歯が八重歯に生えてきてから、びっくりして相談されます。
でもそれでは、前述したようにデメリットが多くなります。
我々の専門家から見れば、将来どのような歯並びになるかは予想されるので、そうなる前に将来像をお伝えすることが可能です。
これが、かかりつけ医に定期的に通っていただく最大のメリットだと考えられます。


■治療にかかる費用が心配なのですが?

A: 床矯正も従来の矯正治療も医療保険の適応外の治療ですので、コストは掛かります。
しかし、床矯正は高価な器具を使わない矯正治療ですので、症状の軽い方の場合十数万円ほどで治療が完了する場合も多いです。
実際の治療に取組む前に、治療に関する方針を決め、必ず治療費用のお見積りを致します。
その後の治療を進めるかどうかは、その時点でご判断していただけますのでご安心下さい。

→床矯正関連費用


■床矯正ができない人はいますか?

A: ムシ歯や歯周病など、歯の健康に問題のある方はその治療を終えてから床矯正治療を行います。
また、治療期間中に歯のお手入れをきちんと行えない方には治療をお勧めしません。
一番床矯正に向いているのは、奥歯の咬み合わせに問題がなく、前歯が重なりかけている時期の子供さんです。
その他の場合は、従来方法の矯正治療をお勧めすることもあります。


■どんな装置を使いますか?

A: 入れ歯のような、取り外しの出来る装置を使用します。
装置は顎を左右に広げる装置、前に広げる装置、がたがたになった歯を綺麗に並べる装置など色々な種類があります。
通常、永久歯の生えるスペースを確保するため、まず顎を拡げる装置を使用し、その後確保されたスペースに歯をきれいに並べる装置を作成します。
治療開始が遅い場合、歯並びが非常に悪い場合は、更にいくつかの装置が必要になります。


■痛みはないのですか?

A: ほとんど痛みは感じません。一般の矯正よりははるかに楽です。
ただ顎を拡げる治療の性質上、顎の骨に圧を加えます。
その際に、当たりが出て痛む場合がありますが、連絡いただいて来院していただければ、簡単に調整ができます。


■装置の取り外しが難しそうです。誰にでも出来ますか?

A: 装置の取り外しは、慣れるまでは保護者の方に行っていただきますが、お子様自身でも少し練習すれば簡単に取り外しができます。むしろ、保護者の方より上手に取り外しが出来るようになります。
ただ、注意していただきたいのは、お子様自身では装置がきちんと装着されているかどうか
わかりにくいので、必ず保護者の方が正しい位置に装着されているか、確認していただく必要があります。
また装置の清掃は、保護者にしていただく方が良いでしょう。
いずれにせよ、お子様任せにしないで、よく監督してください。


■装置はずっと着けていなければならないのですか?

A: お食事や歯磨きの時は外して下さい。
それ以外は基本的にずっと着けていただきたいた方が良いのですが、音楽の時間に発声の邪魔になるなど、一時だけ外すことは結構です。
ご自分の都合で脱着できることが床矯正装置の特長ですが、なるべくずっと着けているほうが当然治療効果も高まります。


■お手入れの方法は?

A: 床矯正装置は入れ歯と同じ素材です。
当院でお勧めしている洗浄剤を使用していただいても、市販の義歯の洗浄剤を使用しても結構です。
でも一日1回は保護者の方が必ずブラシできれいに磨いてください(歯磨き粉は要りません)。
ご自分の歯は、これまでよりも念入りにお手入れしましょう。


■歯が一本だけゆがんでいます。そこだけ矯正することは出来ますか?

A: こういう要望は結構多いのですが、歯がきちんと並ばないのは、永久歯が生えるのに必要なスペースがたりないことが原因です。
したがって、まず全部の歯を動かしてスペースを確保する必要があります。
場合によっては、矯正よりもほかの手段のほうが効果的なこともありますので、ご相談ください。

▲床矯正のTOPへ