口を開けようとすると耳の少し前の顎の関節で「カクンカクン」と音がしたり、顎周囲の筋肉が痛むなどの症状や、口を大きく開けることができないなどといった症状がでることを顎関節症(がくかんせつしょう)といいます。

咬み合わせから顎関節症を引き起こすこと思われがちですが、顎関節症=悪い咬み合わせではありません。
その症状の原因として挙げられるうちのいくつかを、ここでご紹介いたします。

顎関節症の原因

【食いしばりや歯ぎしり】

ストレスなどで歯を食いしばったような状態が長く続くと筋肉が緊張するため、顎関節に負担がかかってしまいます。

【物を食べる時の噛み方】

食事の際に、歯の片側だけを使い噛み続けると筋肉に歪みができ、顎がずれてしまいます。

【姿勢が悪い】

姿勢が悪いことが顎にも影響してきます。猫背は顎も奥に入ってしまうのでよくありません。

【咬み合わせの悪さ】

咬み合わせが悪いと、物を食べるたびにそのズレが影響してくるので顎関節症の原因にもなりやすく、逆に顎関節症が原因で咬み合わせが悪いということもあります。

【外部からの圧迫】

頬杖をついたり、うつ伏せになって眠ったりすると、外部から顎が圧迫されてしまいます。
何度も繰り返すことで少しずつ顎が歪んでしまいます。

全身に出る影響

顎関節症の影響から頭痛、肩や首のコリ、目眩、耳鳴り、不眠症、自律神経失調症、うつ病などの症状が出る場合があります。
特に顎関節の歪みからくる頭蓋骨の歪みによって、自律神経失調症やうつ病などになる可能性があるといわれています。
また、虫歯のように歯が痛くなることもあります。歯医者さんで虫歯はないと言われても歯が痛い場合、顎に原因がある可能性が高いです。顎関節症により神経が圧迫され、虫歯の痛みと勘違いしてしまうのです。

このように顎関節症になると体のいろんな場所に症状が出てしまうことがあります。自律神経失調症になると人間が本来持っている自然治癒力が低くなりますので、体が弱まっていき、全身に悪影響が出てくる原因となります。

顎関節症の治療

前述したように、精神的ストレスから歯軋りやくいしばりをするようになり、顎関節や顎の筋肉にダメージをあたえて顎関節症を発症している場合があります。その際の治療法としては、マウスピースを装着してなるべく顎関節や顎の筋肉に負担がかからないようにすることがあります。ただストレスが原因であれば、原因を除去することなしにマウスピースによる治療をしても、期待通りの成果をあげられないかもしれません。

精神的ストレスからではなく、咬み合わせが悪いがために顎関節に負担が生じ、顎関節症を引き起こしている場合もあります。その際は咬み合わせを修正するようなギプスのようなものを作成し、一定期間使用してもらうことで症状の改善を見ることが多いです。

場合によっては、咬み合わせ全体の治療を行うこともあります。

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