インプラント治療とは、歯が失われた場所に、人工の歯(インプラント)を植える技術のことです。

1本歯を失えば、両隣の歯を削って3本つながった金属を入れる、いわゆるブリッジが従来からある治療法です。
また何本か歯を失ってブリッジができない場合は、取り外し式の入れ歯になります。
入れ歯は歯ぐきの上に乗っているものですから、硬いものは痛くて咬みづらいです。
また食べかすが詰まるので、三度の食事のたびにはずして洗う必要があります。
それを考えると、

インプラント治療は周囲の歯を犠牲にせず、取り外しの必要のない優れた治療法 です。

歯を失ったら

私の子供が事故で前歯を1本失ったとします。
その治療で両隣の歯を削るのは、私だったら絶対にいやです。
その治療が、将来どういう結果になるかを、毎日見ているからです。
同じように私自身が歯を失ってもインプラント治療を選択するでしょう。
事実私の父にも母にも祖母にもインプラントが入っています。

残っている歯の本数

健康な状態では歯は何本あるでしょうか?

親知らずを除くと永久歯列には28本の歯があります。
では奥歯を1本失えば、28分の1噛みにくくなるのでしょうか?
人間の噛む力は、その人の体重位あると言われます。
この強大な力を支えるには主に臼歯(奥歯)の仕事です。
臼歯は上下左右に4本づつあります。
上下の歯で1ペアーなので8ペアーの臼歯が存在します。
だから1本奥歯を失うと、咬む力を支える部分が8分の1減ることになります。
2本なら4分の1です。

そして
残った歯にその分負担がかかります。
上図の様に歯がなくなってくると、加速度的に残っている本数が減ってくるのはこのためです。

残念なことに、失った部分をきちっとブリッジや入れ歯で治してあっても、無くなった歯が戻ってきた訳ではありません。
ところがインプラントを入れることによって咬む力を支える部分を増やすことができます。
つまりインプラントを入れることによって、残っている歯の寿命を延ばすことができるのです。

歯を失ってインプラント治療を考えておられる方でも、例えば、

1.失った歯の部分を、無くなる前の自然な状態に戻してほしい。
2.見栄えは気にしないが、できるだけ安く、取り外しなしで良く噛めるようにしたい。

というように、その方によって要望されることが異なります。
また歯が全くない方でも、

1.総入れ歯がガタガタして食べにくいので、入れ歯を留めるようにしたい。
2.取り外し式の入れ歯自体がイヤ。

というように、望まれることが異なります。
私達は、これらのニーズに単一なインプラントで対応するには、無理があると考えています。

15年以上のインプラント治療の経験の中で、「患者様の多様な要望に応えたい」と思いながら、現在5種類のメーカーのインプラントを使い分けています。

在庫管理や器具の保守、もちろんテクニックも各インプラントによって異なるので大変です。
しかし、その患者様ごと、あるいはインプラントを植える場所ごとに、最適な治療を選択したいと考えています。

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