予防
予防歯科
せっかく治療が終わって健康を取り戻せても、それを維持するのは易しくありません。
安心して放置しておいて3年もすると前より悪くなってしまった、なんて事もありえます。
定期検診とプロによるクリーニングのすすめ
ぜひ定期的に検診とクリーニングにいらして、予防処置を受けられることをお勧めします。
もちろん最初から予防を目的に来院される患者様もたくさんいらっしゃいます。
特に子供さんは、物心がついたときから、年に数回当医院に予防にいらして、虫歯になった経験が一度もないという例も多いです。
でもこれがほかの先進諸国では当たり前のことなのですね。
歯医者さんって歯を治すところだと思っていませんか?
もちろん悪くなった歯は治療します。
でも、くれもと歯科医院ではもう何年も前から、1ヶ月に来院される患者様のうち、治療にいらっしゃる患者様の数よりも、予防にいらっしゃる患者様の数のほうが多いのです。
歯の平均寿命
日本人の平均寿命は男性で約80.2歳、女性で約86.6歳で世界一です。
一方、歯の平均寿命は図のように歯種によって違いますが50~70歳ぐらいです。
人によっては何十年も「歯なし」で暮らさなければなりません。
しかし、本来歯には寿命がなく、私たちの日ごろのケア不足から、歯の寿命をつくっているといえます。
では、私たちは歯の手入れを怠っているのでしょうか?
日本人は、清潔好きで勤勉な国民だといわれています。
一日に1回以上ハミガキをする人は96%で、これは世界一です。
ところが、ご自宅でのハミガキだけでは、どなたの歯にも菌が作った膜のようなものができてしまいます。
これはバイオフィルムといって、これが付着することが、歯周病や虫歯の原因なのです。
バイオフィルムを除去するのは歯科医院でのみ可能です。
日本人は、定期的なプロのケアを受けるために歯科医院に通う習慣があまりないので、熱心に磨いているにもかかわらず、欧米に比べて歯を早く失う人が多いのです。
上の図からお分かりのように、欧米では虫歯や歯周病にならないため積極的に歯科医院を活用しています。
日本人が持つ歯科医院のイメージは、「歯が痛くなったら行くところ」ですが、欧米の予防歯科先進国では歯科医院は「虫歯や歯周病にならないため、健康で美しい歯のお手入れに利用するところ」という考えです。
その結果、グラフにあるように70歳での残っている歯の数に大きな差が出てしまいます。
日本人の平均では、残っている歯は70歳で8本ですが、80歳では5本になります。
世界一の長寿国の現実です。
適切な予防処置をしないで、大切な身体の一部である「歯」を痛くなるまで放置して、削ってしまったり、神経を抜いてしまったりするのが、日本では当たり前になっているのです。
さあ、常識を塗り替えましょう。
一度悪くなった歯は、元には戻りません。
「健康なときこそ、歯医者さんに行く。」
歯が残っているうちから、こういう(ほかの先進諸国での)常識に変えましょう。
「痛くもないのに歯医者に行く人なんて、私の周りに誰もいないよ。」と同じようにしていると、あなたは平均的な日本人同様、将来多くの歯を失うことになるかもしれません。
歯科医院で予防処置を主に行うのは、歯科衛生士です。
ところがこの歯科衛生士の数が非常に少なく、求人は困難を極める現状です。
くれもと歯科医院では常時4人の歯科衛生士が、あなたのお口の健康維持のお手伝いをいたします。
くれもと歯科医院では、お口の健康を通して皆様の健康のお役に立ちたいと心から願っております。
くれもと歯科医院では、予防の処置はすべて保険で行っています。
予防 質問
■絶対に虫歯にならない予防法がありますか?
A.残念ながら、虫歯を100%予防する方法はありません。
虫歯は「虫歯菌の数」「歯の質」「砂糖(ショ糖)の量」「間食回数」などの条件が重なり合いはじめてできます。そのため、予防方法もそれぞれ異なります。
いずれにせよ、ホームケア(自己管理)とプロフェッショナルケア(歯科医院でのケア)の両立が大切です。
■虫歯に対する唾液の作用は?
A.
- 洗浄作用:歯の表面やお口の中を洗浄します。
- 殺菌・抗菌作用:プラークの形成・発育を抑制します。
- 緩衝作用:お口の中の酸やアルカリを中和する働きをします。
- 抗脱灰作用:エナメル質・象牙質の再石灰化を促進します。
唾液は患者様のお口の中で優れた働きをしています。
分泌量が多いほど、虫歯の予防効果は高くなります。
■フッ素の効果は何ですか?
A.
- 歯質強化作用
- 再石灰化促進作用
- 酸産生の抑制作用
- 殺菌・抗菌作用
持続的にフッ素を応用することで、虫歯を効果的に抑制できることが、多くの論文で証明されています。
■キシリトールとはなんですか?
A.白樺や樫などの樹木から採取した天然素材の砂糖に代わる甘味料です。
虫歯の原因菌は、食品中の砂糖を分解して酸を産生します。この酸が歯を溶かして虫歯になるのです。
一方、この菌はキシリトールを取り込んでも酸を産生しないため、キシリトール入りの食品は虫歯予防効果が高いのです。
また酸を産生しないことで歯垢の粘着度が減少し、ブラッシング時により落ちやすくなります。
また唾液中のカルシウムがエナメル質と結びつく再石灰化を活発にさせるともいわれています。